2024年、東京の桜は、予想外の展開を見せました。例年、桜の開花時期は前年度の秋から冬にかけての気温に大きく左右されますが、
今年はその予測が大きく外れることとなりました。年初には、桜の開花が平年並みか、それよりも早まると見込まれていました。
特に、東京や甲信地方では、11月から2月にかけての気温が平年より高めであったため、開花が早まることが期待されていました。
桜の花芽は、前年の秋から冬にかけての温度変化により成長が促されます。通常、花芽は休眠状態を経て、春の気温上昇とともに目覚め、
成長を続けて開花に至ります。この過程において、気温が高ければ高いほど花芽の成長が早まり、
開花も早まるとされています。2023年の秋から2024年の冬にかけては、東日本と西日本で例年よりも気温が高かったため、
早めの開花が期待されました。全国的には、平年並みかそれよりも早い開花が見込まれていたのです。
しかし、実際には3月に入ってからの寒さの戻りが影響し、開花は予想よりも遅れることとなりました。
気象庁は2024年3月29日に東京のソメイヨシノの開花を発表しましたが、これは平年より5日遅く、昨年よりも15日遅いものでした。
昨年の東京の桜は観測史上最も早く開花しましたが、今年は2012年の3月31日以来、12年ぶりの遅い開花となりました。
「桜開花の600度の法則」として知られる、1月からの積算温度が600度に達した時点で開花するとされる法則も今年は通用しませんでした。
今年は1月からの積算温度が700度に達しても開花しなかったのです。
これについて、気象予報士は「冬の間に一定の寒さがないと桜に開花のスイッチが入らない」と分析しています。
暖冬が続くと、桜の開花が遅れる可能性があるという見解です。地球温暖化が桜の開花時期に影響を及ぼしているのかもしれません。
東京の名所である芝公園、千鳥ヶ淵、靖国神社などでも、例年より遅い開花となりましたが、桜の美しさは健在で、
多くの人々が春の訪れを感じることができました。早春に咲く種類の桜から、ソメイヨシノのような盛春に咲くもの、
さらには八重桜などの晩春に咲く種類まで、さまざまな桜が4月末まで楽しめました。
遅咲きの桜も含め、東京の桜シーズンは長く続き、多くの花見客で賑わいました。
桜の開花は、前年の秋から冬にかけての気温に依存するため、これからも気候変動の影響を受けやすいと考えられます。
今年のように暖冬の影響で開花が遅れることが今後も続くのか、それともまた異なる気候パターンが現れるのか、
注目されるところです。桜愛好家たちは、来年以降の開花時期にも注視していくことでしょう。
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