神田川は東京都を流れる一級河川で、その流路は東京都三鷹市の井の頭恩賜公園内にある井の頭池に源を発し、
東へ流れて台東区、中央区、墨田区の境界にある両国橋脇で隅田川に合流します。
流路延長は24.6km、流域面積は105.0km²で、都心を流れる中小河川としては最大規模を誇ります。
全区間にわたって開渠であることが特徴で、これは都心の川としては非常に珍しいことです。
神田川の歴史は深く、その名称の変遷も興味深いものです。かつては平川と呼ばれ、
現在の飯田橋付近から日本橋川を経て日比谷入江に流れていましたが、江戸幕府による度重なる普請と瀬替えの結果、
現在の流路になりました。江戸時代には上流が神田上水、下流が江戸川と呼ばれ、明治時代に神田上水が廃止された後、
上流も神田川と呼ばれるようになり、昭和の河川法改正で全て神田川という名称に統一されました。
神田川沿いには数多くの桜の名所があります。特に有名なのが江戸川公園です。
この公園は文京区関口に位置し、関口台地の南斜面に広がっています。江戸川公園はその名の通り、
かつて江戸川と呼ばれていた神田川沿いに位置し、江戸川橋駅から徒歩3分というアクセスの良さが特徴です。
春になると、神田川に沿って約120本の桜が咲き誇り、見事な桜並木が訪れる人々を楽しませます。
特にソメイヨシノが多く植えられており、川沿いに広がる桜のトンネルは圧巻です。
江戸川公園はその長い歴史の中で何度も改修されてきました。昭和59年には神田川の拡幅工事に伴い、
大規模な改修が行われました。公園内には、様々な景観を楽しめる散策路が設けられ、
石の広場や西洋風の山小屋を模した時計塔のある四阿、藤棚のあるテラスなど、
多彩な風景が広がっています。特にテラスからの眺めは素晴らしく、
石組みの池や神田上水取り入れ口に使われていた大洗堰の復元も見どころです。
江戸川公園の桜の歴史も興味深いものです。江戸時代には御留川と呼ばれ、
その後昭和40年までは江戸川と呼ばれていました。明治17年頃には、
旧西江戸川町の大海原氏が自宅前の土手に桜の木を植え、これが桜の名所としての始まりでした。
その後、石切橋から大曲までの約500メートルの区間に多くの桜が植えられ、
夜桜見物の船も出るほどの賑わいを見せていました。しかし、神田川の洪水と護岸工事により多くの桜が失われました。
昭和58年に新たに桜の木が植えられ、現在では再び多くの桜が花を咲かせ、花見客で賑わうようになりました。
また、神田川沿いには江戸川公園だけでなく、新宿区立神田上水公園、新宿区立落合中央公園、
東京都下水道局 せせらぎの里公苑など、桜の名所が点在しています。
さらに、肥後細川庭園やホテル椿山荘も神田川沿いにあり、春には美しい桜が訪れる人々を迎えます。
これらの場所では、桜が咲き誇る景色を楽しむことができ、静かで穏やかな時間を過ごすことができます。
神田川はまた、フォークグループかぐや姫の楽曲『神田川』の題材としても知られています。
この楽曲は、神田川沿いの情景や青春の思い出を歌ったもので、
多くの人々に親しまれています。神田川は、古くからの歴史と文化を持ちながら、
現代においても多くの人々に愛され続けている川です。春の桜の季節には、
ぜひ神田川沿いを訪れ、その美しい景色と歴史を感じてみてください。
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2024年4月10日 令和6年
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