ゴシキセイガイインコ(五色青海鸚哥、学名:Trichoglossus haematodus)は、オウム目オウム科に分類される鳥類で、その美しい羽色と活発な性格から非常に目立つ存在です。英名はRainbow Lorikeetで、日本では一般的に「ゴシキセイガイインコ」と呼ばれています。このインコはオーストラリア東部を主な生息地とし、クイーンズランド州から南オーストラリア州、タスマニア州北西部まで広範囲にわたって分布しています。
ゴシキセイガイインコの体長は25~30センチメートルで、色鮮やかな羽色が特徴です。頭部と腹部は濃紺色から青紫色で、背面と尾羽は明るい緑色をしています。胸部とくちばしは鮮やかなオレンジ色です。このような色彩の組み合わせは、特にオーストラリア東部で観察される個体に典型的です。
このインコは様々な生息地で見られますが、特に都市部やその周辺でもよく見かけます。ケアンズの街中では、日本のスズメのように頻繁に姿を現します。街路樹に止まっていることが多く、特に海沿いのエスプラネードでは群れを成して何十匹もが木に止まり、木の実を漁る姿をよく目にします。このような光景は、一斉にカラフルな羽根を広げて飛び立つ様子も含めて、非常に魅力的です。
ゴシキセイガイインコは、その名の通り、非常に色彩豊かで目立つ存在です。しかし、街路樹に止まっている際には、意外と目立たないこともあります。彼らはしばしば大きな群れを形成し、一斉に飛び立つ様子は圧巻です。このような群れ行動は、夕方や早朝に非常に大きな騒音を伴って行われます。
生態的には、ゴシキセイガイインコは主に花の蜜や花粉を食べることで知られています。彼らの舌は、このような食事に適応して特別な構造をしています。そのため、餌を探す際には、しばしば花の咲いている場所で見られることが多いです。
人懐っこい性格のゴシキセイガイインコは、餌付けされると手乗りインコとしても育てられることがあります。しかし、大きな群れになると、その鳴き声は決して心地よいものではなく、非常に騒がしいものとなります。これは特に都市部での生活において顕著であり、多くの住民がその騒音に悩まされることも少なくありません。
形態的には、ゴシキセイガイインコの尾羽は、他のインコと比較して非常に長いことが特徴です。例えば、Scaly-breasted Lorikeetとはこの点で明確に区別されます。また、Red-collared Lorikeetとは分布が重ならないため、オーストラリア東部では主にゴシキセイガイインコが観察されます。
分類学的には、ゴシキセイガイインコは多くの亜種が存在し、それぞれの亜種は異なる地域に分布しています。例えば、Swainson's Lorikeetはオーストラリア東部とタスマニアに生息し、Red-collared Lorikeetはオーストラリア北部に分布しています。これらの亜種は、時には別種として分類されることもあります。
ゴシキセイガイインコは、その鮮やかな色彩と活発な行動で、観察する者を楽しませる存在です。彼らの生息地や行動、生態についての理解を深めることで、より一層その魅力を感じることができるでしょう。都市部でも見かけることができるため、オーストラリアに訪れる際には、ぜひその美しい姿を観察してみてください。
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