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サンマリーナ玉庭(Sun Marina Tamaniwa)は、かつて山形県東置賜郡川西町に存在していたスキーリゾートである。 1989年の開業当時は、バブル期の豪華なレジャー施設のひとつとして大きな注目を集めた。サンマリーナ玉庭は単なるスキー場ではなく、 リゾートホテルや温泉、ゴルフ場、室内温水プール、アスレチックなど、多彩な施設を備えた総合リゾートとして設計された。 日本初のフード付きクワッドリフトも導入され、当時のスキー場としては最先端の設備が整えられていた。最大の斜面は22度で、 緩やかなファミリー向けのコース設計がなされており、託児所も設けられるなど、家族連れに優しいリゾート環境が提供されていた。 スキー場の滑走距離は最長で1.3kmに及び、米沢市街地から車で20分程度というアクセスの良さも魅力であった。周辺には人気の スキー場が集まる蔵王や磐梯エリアがあり、サンマリーナ玉庭はその隙間を狙った都市型リゾートとして開発されたが、大都市からの アクセスには限界があり、最盛期の集客が難しいという課題も抱えていた。しかし、週末でも混雑が少ないため、訪れる者は 自分たち専用のゲレンデのような雰囲気でのびのびとスキーを楽しむことができた。 また、この施設の魅力はリゾートならではの充実した娯楽体験にあり、スキーリゾート内のサンマリーナ玉庭ロッジでは、宿泊客が快適に 過ごせる近代的な設備が整えられていた。特注の巨大スピーカーがゲレンデの音響をカバーし、BGMが流れるコンサートホールさながらの 音響空間で滑走するという演出がなされていたのも他のスキー場にはない特徴であった。スノーボードも全面滑走可能で、ナイター設備 も整っており、夜の21時までゲレンデを開放していたため、夜遅くまで滑ることができた。 一方で、サンマリーナ玉庭はバブル期の隆盛に伴う計画的な大規模リゾートのひとつであり、開業後まもなくして景気の後退という 大きな経済的影響を受けることとなった。2005年、度重なる経営不振の末、最終的にリゾートは閉鎖に至った。豊富なリゾート設備を 活かしたかった開発当初の意図とは裏腹に、施設は放置され、廃墟となって現在に至る。その後、ゲレンデの一部は再開発され、 現在では太陽光パネルを設置した川西ソーラーパークとして活用されている。サンマリーナ玉庭はバブル経済が生んだリゾートブームの 象徴として、当時の時代背景を色濃く反映している。全盛期に多くの家族連れやカップルを迎えたゲレンデも、今はひっそりとした 太陽光パネルの列に変わり、栄華の跡がしのばれる。


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