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東京から車で北海道のスキー場を目指す壮大(無謀)なプランである。首都圏を抜ける為、まずは東北自動車道に乗って北へとひた走る。
東北道は、埼玉の川口ジャンクションから青森までつながっており、日本最長の高速道路である。道中、埼玉、群馬、栃木、福島、宮城、
岩手、秋田を通り過ぎて、青森の終点、青森インターチェンジを目指す。広大な東北の景色を楽しみながらの長距離ドライブとなる。
青森に到着したら、次はフェリーで北海道へ渡る番だ。「ばにあ(VANIR)」というフェリーに乗り込み、青函航路で青森から函館まで
約4時間の船旅が始まる。この「ばにあ」という船名は、北欧神話の神族「ヴァニル(Vanir)」に由来している。船内では景色を楽しんだり、
仮眠したり青函連絡船の歴史に思いを馳せたりしながら、北海道への到着を待つ。
函館に着いたら、そこからは再び車を走らせ、国道5号を利用して進む。この道は函館から札幌を結ぶ北海道唯一の一桁国道で、歴史ある
道でもある。さらに函館新道という国道5号のバイパスも活用しながら北上し、次は北海道縦貫自動車道、通称「道央道」に入る。
この道央道は北海道を縦断する主要な高速道路で、豊かな自然に囲まれた北海道の風景を眺めながら快適に走ることができる。目的地は、
登別温泉だ。
登別温泉に到着すると、早速北海道ならではの郷土料理「イクラ丼」を味わう。温かいご飯に塩漬けのイクラがたっぷりとかけられた
丼ぶりは、ぷちぷちとした食感とご飯の相性が抜群だ。贅沢に蟹を添えた「蟹・いくら丼」を選ぶのもいい。登別の新鮮な海の幸を
一口一口じっくりと味わい、旅の疲れもすっかり癒される。
食後は、温泉街を散策していると、キタキツネに遭遇することもある。北海道を代表する動物であるキタキツネは、冬毛でふわふわとした
体をしていて、観光客を魅了してやまない。キタキツネを目撃できるのも北海道ならではの体験だ。
この日は登別温泉の「登別ときわ荘」に宿泊することにした。和室の部屋で一泊し、夜には登別の名湯にも浸かる。登別温泉は
「温泉のデパート」とも呼ばれ、神経痛やリウマチ、皮膚病などに効能がある9種類の泉質を持つ。特に有名なのが「地獄谷」の源泉から
湧き出るお湯で、旅人の疲れをしっかりと癒してくれる。
翌日は道央道から札樽自動車道へ、そして国道393号を通りキロロリゾートへと向かう。キロロリゾートは余市郡赤井川村にある自然豊かな
スキーリゾートで、タイの不動産会社が所有している。ここでは、山の斜面を滑り降りるスキーを思う存分楽しむことができる。
広大な雪景色に包まれてのスキーは、まさに北海道の冬の醍醐味である。
スキーを堪能した後は、再び国道393号、札樽自動車道、そして道央自動車道を使い、苫小牧西港フェリーターミナルへと向かう。
ここから「シルバーフェリー」に乗り、再び青森の八戸へと海を渡る。八戸に着いたら、朝食は八戸の有名な市場「八食センター」で
とることにした。新鮮な魚介類や地元の名物料理を味わえる市場で、朝から贅沢な食事を楽しむことができる。
いよいよ東京へと帰路につく。東北自動車道を南下し、長旅の疲れも感じ始めた頃、思わぬトラブルが発生する。横方向から飲酒運転の車が
衝突してきたのだ。幸いにも怪我人はなく、事故処理を終えて再び旅路に戻る。
そしてついに、東京へと無事に到着。長い道のりといくつもの貴重な体験が詰まった旅の終わりに、北海道への思い出が心に残る。
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