代々木会館(よよぎかいかん)は、かつて東京都渋谷区代々木一丁目に存在していた雑居ビルでした。
その建物は、東京都道414号四谷角筈線とJR東日本代々木駅の間に位置し、
長辺15m、短辺5m、奥行24mの台形状の敷地に建てられました。
代々木会館は、1945年の東京大空襲で代々木駅前が焼け野原となった後、
戦後の復興によって代々木駅前に間口一間半(約2.7m)のバラックが建てられました。
しかし、1964年の東京オリンピック開催に伴い、東京都道414号四谷角筈線の道路拡張が行われることとなり、
バラックの移転先として代々木会館が建設されました。
多くの店舗が入居し、2階には飲食店街が形成され、
パチンコ店、雀荘、ビリヤード場なども入居しました。
そのため、代々木会館は「代々木の九龍城」「東京の九龍城砦」「魔窟」とも呼ばれるようになりました。
代々木会館は、外観からその特異な姿勢からさまざまな呼び名で知られており、
看板も残されていました。最後まで営業していた店舗は、
開館当初から入居していた最古参の中国書籍専門店「東豊書店」でした。
この書店の店主は90歳を超えながらもビルの閉鎖・解体まで営業を続けていました。
また、代々木会館は昭和のテレビドラマ『傷だらけの天使』のロケ地としても知られており、
2019年のアニメーション映画『天気の子』の舞台にもなりました。
代々木会館は、代々木駅前の一等地に位置しており、
2000年代初頭から再開発によるビル建て替えの話が持ち上がっていましたが、
所有権の複雑さなどから何度も頓挫していました。
しかし、2019年から2020年にかけて解体工事が行われ、
跡地には、2022年5月に、地上9階建てのテナントビル【プレンジ代々木】が建設されました。
1階は店舗区画、2~9階は事務所区画となっています。
傷だらけの天使に登場するエンジェルビル(代々木会館)
2016年8月27日
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