東京マラソン2021は、新型コロナウイルスの影響で当初の予定から延期され、2022年3月6日に開催された。東京都内を巡る 日本陸上競技連盟公認コースで行われたこの大会は、通算15回目の開催となり、国内外のエリートランナーからアマチュアランナーまで、 多くの参加者が集った。開催日は快晴で、午前10時時点で気温11.3度、湿度29%、北西の風3.3m/sと、ランニングには適した気象条件が 整っていた。 この大会は、複数の重要な役割を兼ね備えていた。ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズの一環として行われただけでなく、 オレゴン22世界陸上競技選手権大会と杭州2022アジア競技大会の日本代表選考会、さらにはマラソングランドチャンピオンシップ チャレンジやアボット・ワールドマラソンメジャーズXIVの開幕戦としても位置付けられていた。そのため、トップランナーにとっては 代表権を懸けた非常に重要な競技の場であった。 新型コロナウイルスの影響で大会は数度の延期を経たが、その間も主催者側は感染対策を徹底し、ランナーと観客の安全確保に努めた。 また、大会コースには新たなルートが追加され、須田町交差点から中央通りを経由して上野広小路交差点に至る道筋が設けられた。 この変更により、参加者は東京都内の名所をより多く楽しみながら走ることができるようになった。 男子の部では、エリウド・キプチョゲが圧倒的な強さを見せた。レース序盤には10.6km地点で先頭集団が誤ったルートを選択する ハプニングがあったが、キプチョゲは冷静にレースを進めた。26.8km地点でペースを上げ、アモス・キプルトとの一騎打ちを制して、 2時間02分40秒の大会新記録で優勝を果たした。その圧倒的な走りは観客を魅了し、ランニング界に再びその存在感を示した。 女子の部では、ブリジット・コスゲイが輝きを放った。序盤から3人の選手による接戦が続いたが、35km地点でコスゲイが抜け出し、 2時間16分02秒の日本国内最高記録を樹立して優勝した。日本人選手の中では、一山麻緒が2時間21分02秒で6位、新谷仁美が7位に入り、 それぞれ健闘した。この大会では、一山や新谷をはじめとする選手たちがMGC（マラソングランドチャンピオンシップ）出場権を獲得した 点も注目される。 東京マラソン2021は、選手たちにとって大舞台でのパフォーマンスを披露する機会であると同時に、観客にとってもマラソンの魅力を 再発見する場となった。コロナ禍という厳しい状況下での開催にもかかわらず、大会は成功を収め、多くの人々に感動を与えた。 次回の大会に向けて、さらに多くの期待が寄せられている。

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