2024年8月24日、東京都江戸川区の江戸川河川敷で開催された第49回江戸川区花火大会は、対岸の第40回市川市民納涼花火大会と 合せて約14,000発の花火が打ち上げられ、 多くの観客がその光景に魅了されました。1976年に始まったこの大会は、今年で49回目を迎え、毎年恒例の夏の風物詩として 地域の人々に親しまれています。 今年の大会は、例年とは異なる日程で開催されました。通常、8月の第1土曜日に開催されるこの花火大会ですが、 2024年は特別な事情がありました。江戸川区に本拠を置く「宗家花火鍵屋」の15代目当主である天野安喜子さんが、 パリ五輪の柔道審判員として派遣されることになったため、開催日が3週間延期されることになったのです。 花火大会は、観客の期待が最高潮に達する中、5秒間で1,000発の花火を一気に打ち上げる迫力満点の演出で幕を開けました。 夜空を鮮やかに彩る花火の光と音は、会場に集まった約3万人の観客を圧倒しました。続いて、江戸川区花火大会の名物である、 都内最大級の8号玉花火や、全長280メートル、高さ50メートルにも及ぶ富士山をかたどった仕掛け花火が次々と打ち上げられ、 その壮大なスケールに観客は大いに沸きました。 この大会のもう一つの特筆すべき点は、伝統的な技術と現代の花火演出が見事に融合している点です。「宗家花火鍵屋」は、 江戸時代から続く花火師の家系で、その技術は長い歴史の中で磨かれてきました。今年も彼らの手によって、かつてないほど美しく、 華やかな花火が夜空を飾り、観客の心に深い感動を残しました。 しかし、この日の天候は予測が難しく、花火大会が進行する中で、クライマックス直前に突然の豪雨が降り始めました。それでも、 打ち上げが中止されることはなく、花火は最後まで予定通り打ち上げられました。雨に濡れながらも、観客はその壮麗な花火の 美しさに見入っていました。 花火大会が終わると、翌25日の朝には地元の少年野球チームやボランティアの約773人が河川敷に集まり、清掃活動を行いました。 イベント終了後の片付けまで含めて、地域全体が一体となってこの花火大会を成功させたことが感じられます。 アクセスについては、電車を利用するのが一般的で、JR総武線小岩駅から徒歩約25分、または都営新宿線篠崎駅から 徒歩約15分の距離に位置しています。車での来場は禁止されており、周辺には駐車場もないため、車や自転車でのアクセスは 制限されました。さらに、17時から22時までの間、交通規制が敷かれ、イベントの安全な運営が確保されました。 2024年8月24日当日の気象条件は、20時の時点で気温27度、湿度87%、北東の風が3m/sで、空は曇っていました。 19時までは南風が吹いていましたが、20時頃に風向きが北東に変わりました。この風の変化もあり、 花火大会の鑑賞に多少の影響があったものの、全体としては無事に進行しました。 このように、第49回江戸川区花火大会は、パリ五輪の影響で開催日が変更されたものの、多くの人々に感動を与え、 地域の結束力を象徴するイベントとなりました。夏の終わりを告げる花火大会として、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。 対岸でも「第40回市川市民納涼花火大会」が千葉県市川市の江戸川河川敷で開催されました。 この大会は、市川市と江戸川区が同時に行う大規模なイベントで、合計約14,000発の花火が夜空を鮮やかに彩り、 多くの市民や観光客がその美しさに魅了されました。特にこの花火大会は、市川市と江戸川区が協力し、 両岸から打ち上げられる花火が相互に連携し、観客に迫力ある花火の演出を楽しんでもらう形式が特徴です。 午後7時15分過ぎにスタートした大会は、初っ端から恒例の「5秒間で1000発の花火」が打ち上げられ、会場はその迫力に圧倒されました。 花火の種類も非常に多彩で、伝統的な菊や牡丹に加え、冠（かむろ）や柳、小割物、型もの、スターマイン、 そして仕掛け花火といったバラエティ豊かな花火が次々と打ち上げられました。これらの花火が次々と夜空に広がり、 その美しさと迫力に観客は目を奪われ、歓声や拍手が絶え間なく続きました。 打ち上げを担当したのは、江戸川区に本拠を構える「宗家花火鍵屋」で、15代当主の天野安喜子さんが指揮を執りました。 天野さんは、これまでに北京と東京のオリンピックで柔道の審判員を務めた経験を持ち、2024年のパリ五輪でも審判員として派遣されたため、 当初は8月の上旬に予定されていた花火大会の開催が、天野さんのスケジュールに合わせて3週間遅らせられました。 この変更は市川市側も快く了承し、地域全体で大会の成功を支援する形となりました。 この花火大会は、地元の伝統を継承しつつも、地域間の連携や協力を象徴するものとなり、さらに規模の大きさや演出の工夫から、 多くの来場者に感動を与えました。市川市側の会場では、江戸川河川敷という絶好のロケーションから花火を楽しむことができ、 特に有料観覧席からの眺めは格別でした。多くの観客が、その場でしか味わえない特別な体験を求めて集まり、 夏の夜空に広がる華やかな花火を心行くまで楽しみました。 アクセスに関しては、最寄りのJR総武線「市川」駅南口から徒歩約15分の場所に会場が設定されており、 公共交通機関を利用する来場者が多かったのも特徴です。会場周辺には駐車場がなく、車での来場が推奨されていなかったため、 多くの人々が電車や徒歩でアクセスしました。このように交通手段に配慮された環境であったことも、 大会のスムーズな運営に貢献しました。 このようにして開催された「第40回市川市民納涼花火大会」は、地域の協力と伝統を重んじた特別なイベントであり、 花火師の技と熱意が多くの人々の心に強い印象を残しました。特に天野安喜子さんを中心とした宗家花火鍵屋の技術が、 多彩な花火の演出を通じて、観客に驚きと感動を与え、夏の夜を彩る一大イベントとして成功を収めました。