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2008年11月3日、神楽坂通り全域で「神楽坂まち飛びフェスタ2008~坂にお絵描き」が開催されました。このイベントは、
神楽坂を舞台にした地域密着型の文化祭「神楽坂まち飛びフェスタ」の一環で、1999年に始まり、10回目の開催となった年でした。
神楽坂の歴史や文化を尊重しながら、新たなアートの形を提案するこのフェスティバルは、「まちに飛び出した美術館」として
多くの人々を惹きつけています。
フェスティバルは10月18日から11月3日までの約3週間にわたり、地域の人々が楽しめるさまざまなイベントが盛りだくさんでした。
伝統芸能の体験会や落語、講談、音楽パフォーマンス、学習イベント、アート展示など、80もの多彩なプログラムが実施され、
神楽坂はこの期間中、文化の発信地として活気に満ち溢れていました。その中でも特に目玉となったのが、フェスティバルの
最終日に行われた「坂にお絵描き」です。
「坂にお絵描き」は神楽坂通りの全長約700メートルにわたる道を使い、そこに白いロール紙を敷き詰め、誰でも自由に絵を
描くことができるという、非常にユニークなアートイベントです。子供から大人まで、地元の住民や観光客が絵の具やクレヨンを
手に取り、自分の思い思いの絵やメッセージをキャンバスに描き込んでいきます。通りが大きな白いキャンバスに変わり、
その場にいるすべての人々がアーティストとなるこの光景は、神楽坂の豊かな文化と創造力を象徴する場面となりました。
イベントが行われた2008年11月3日は、曇り空で気温は15.7度と過ごしやすく、風は北北西から1.6メートル毎秒の速さで吹いていました。
少し肌寒さを感じる天気ではありましたが、そんな気候もこのイベントの熱気には全く影響がありませんでした。参加者たちは
寒さを忘れ、絵を描くことに没頭していました。真っ白な紙はあっという間に色鮮やかな絵や文字で埋め尽くされ、道全体が一種の
アートギャラリーとなったのです。
また、この日は「坂にお絵描き」だけでなく、さまざまなパフォーマンスが同時に行われていました。神楽坂の通りを中心に、
音楽パフォーマンスや墨アート、マジックショー、大道芸などが披露され、祭りの雰囲気をさらに盛り上げました。たとえば、
松鶴家ぼんによる愉快なマジックとジャグリング、江戸時代から続く大道芸の達人源吾郎によるパフォーマンス、
クレイジィエンジェルカンパニーの音楽パフォーマンスなどが観客を魅了しました。また、法政大学の応援団が行った応援と
チアリーディングや、東京理科大学のYOSAKOIソーラン部による活気あふれるダンスも、この日のメインイベントを盛り上げました。
この年のフェスティバルでは、例年に比べて多くの来場者が訪れたことが特に印象的でした。神楽坂まち飛びフェスタ実行委員会の
委員長である日置圭子さんは「今年は事前にさまざまなメディアでこのイベントをPRしたことが奏功し、さらにこの祭りが地域に
定着してきた結果、多くの方々が足を運んでくださったのだと思います」とコメントしています。日置さんの言葉通り、イベント当日は
多くの来場者が通りを埋め尽くし、紙いっぱいに描かれた絵や文字が、この日一日限りのアート空間を完成させました。
神楽坂まち飛びフェスタは、神楽坂の歴史や文化を尊重しながら、新たなアートの可能性を地域と共に探るイベントです。
「坂にお絵描き」はその象徴とも言える存在で、老若男女が一堂に会し、自由にアートを楽しむ姿がこのイベントの最大の魅力です。
毎年進化を遂げるこのフェスティバルは、今後も神楽坂の秋の風物詩として多くの人々に愛され続けるでしょう。
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