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2017年6月10日、午後12時の皇居東御苑は、初夏の穏やかな気候に包まれていた。この日の12時の気温は27.7度で、湿度は54%と
ほどよい蒸し暑さを感じさせた。南南東の風が時速4.7メートルの穏やかな速さで吹き、周囲には薄曇りの空が広がっていた。
この気候は、庭園内を散策するのに最適な条件であったと言える。
皇居東御苑は、1968年(昭和43年)に開園された都心の広大な庭園で、面積は約21万平方メートルを誇る。この場所は、
かつての江戸城の本丸、二の丸、三の丸に相当する地区を整備して造られたものである。そのため、園内には歴史的な建造物や
遺構が数多く点在しており、江戸時代の風情を感じることができると同時に、四季折々の自然も楽しめる。例えば、園内には
都道府県の木が31種植えられており、それぞれの地域の植物を目にすることができる点が特徴的である。
庭園内は、本丸地区、二の丸地区、三の丸地区の3つのエリアに分かれている。本丸地区は、広々とした芝生とともに、バラ園や竹林、
果樹古品種園といった多様な緑地が配置されている。さらに、桜の島や野草の島、茶畑といった日本らしい風景も楽しめる。
本丸地区には建造物として桃華楽堂や富士見櫓があり、これらの施設は皇室の歴史や文化を今に伝えている。
二の丸地区には、日本庭園である二の丸庭園や百人番所がある。特に二の丸庭園は、池泉回遊式のデザインが施されており、
日本の伝統的な庭園美を堪能することができる。雑木林や菖蒲田も見どころのひとつであり、このエリアでは自然の多様性を
存分に味わうことができる。一方、三の丸地区には尚蔵館や大手門があり、江戸城の歴史的な価値を感じさせる建築物が集中している。
江戸時代には大奥がこの場所に存在し、天守台や富士見櫓などの歴史的建造物など大小30以上もの建物が立ち並んでいた。
特に天守台からは庭園全体を見渡すことができ、歴史と自然が融合した景観が広がっていた。
このように遺構や歴史の痕跡は現在も庭園内の随所に感じられる。
また、庭園の一角にある二の丸庭園は、初夏の草花が咲き誇り、訪問者に色彩豊かな景色を提供していた。
2017年のこの日は、庭園を訪れる人々にとって穏やかなひとときを提供するものであったに違いない。薄曇りの天候は、直射日光を
和らげるとともに、木々の緑や花々の色彩を一層引き立てていた。散策路を歩く人々は、時折吹く南南東の風に癒されながら、
自然と歴史の調和を楽しんでいたことだろう。
皇居東御苑は、東京都心の喧騒を忘れさせる静けさとともに、日本の歴史や文化の一端を体感できる特別な空間である。
この庭園は、誰でも無料で入園できるため、国内外から訪れる多くの人々にとって親しみやすい場所である。2017年6月10日のこの日も、
庭園は人々に癒しと安らぎを提供していたに違いない。
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