江戸城 外濠プロジェクションマッピング 2024年5月31日 令和6年



東京都は、旧江戸城外堀の浄化計画への理解を深めるため、江戸時代の浮世絵師・歌川広重の「名所江戸百景」に 描かれた水辺の風景を堀ののり面に投影するプロジェクションマッピングを実施しました。 このイベントは、千代田区立外濠公園で5月30日の夜から始まり、6月2日までの毎日、午後7時半から9時まで行われました。 観覧は無料で、誰でも自由に楽しむことができます。 このプロジェクションマッピングは、東京都が外堀の水質改善に対する関心を高めることを目的としており、 江戸の街並みや四季折々の風景をモチーフにした映像が繰り返し投影されます。訪れた人々は、 デジタルアニメーションで表現された浮世絵風の江戸の風景に見入り、写真を撮るなどして楽しんでいました。 映像は各回約8分間、のり面約100メートルに渡って映し出されます。 プロジェクションマッピングが行われる堀ののり面には桜の木が植えられており、そこに映像を投影する形となります。 建物の壁と違って光の反射率が低いため、映像が非常に薄暗く見えることがあるものの、その独特の雰囲気が また一つの魅力となっています。本動画のBGMは、権利問題の為、別な音楽になってます。 東京都は、外堀の水質改善を目指す「外濠浄化プロジェクト」を進めており、2030年代半ばを目標に、 藻類の「アオコ」が大量発生するなどの問題に対処する計画を打ち出しています。 アオコの大量発生は景観の悪化や異臭を引き起こしており、都はこれを防ぐために水の滞留を解消し、 下水再生水や荒川河川水を導入する導水路の新設を検討しています。このプロジェクトは、東京都が平成29年9月に策定した 「都市づくりのグランドデザイン」に基づいており、区市町村との連携を強化して計画的に進められています。 また、令和3年3月に発表された「未来の東京」戦略および令和4年2月の改訂版でも、外濠の水質改善が重要な施策として 位置づけられています。 今回のプロジェクションマッピングは、スタートアップ企業の株式会社一旗が提案し、「UPGRADE with TOKYO」 (東京都産業労働局)のスタートアップピッチイベントで優勝したことから実現しました。 株式会社一旗は、プロジェクションマッピングやデジタルインスタレーション、 3DCGアニメーションなどのデジタルコンテンツをプロデュースし、総合演出を手掛ける企業です。 彼らの提案により、江戸城外濠の景観を活かしたデジタルアートコンテンツが実現し、 イベントの成功に大きく貢献しました。 プロジェクションマッピングにはおよそ2200万円の予算がかかっており、都議会ではその妥当性について 疑問視する声もありました。しかし、東京都は「夜間の観光振興に向けて極めて重要だ」として、 この取り組みの意義を強調しています。都の担当者は「外堀に関心を持ってもらうことは都として大事な取り組みであり、 お金の問題ではない。多くの人に楽しんでいただきたい」と述べています。 プロジェクションマッピングは、東京都庁でも行われており、「UPGRADE with TOKYO」は都政課題の解決を目的として、 スタートアップ企業による画期的な製品やサービスのピッチを通じて、行政機関や企業、 ベンチャーキャピタルとの交流の場を提供しています。2019年12月から始まったこのイベントは、 36回目の開催となり、協業実績率は81%に達しています。今回の外濠のプロジェクションマッピングもその一環として、 都政の課題解決に向けた重要な取り組みの一つとなっています。 このイベントを通じて、外堀の水質改善や景観の保全に対する都民の理解と関心が高まり、 最先端のデジタル技術と日本の伝統文化のコラボレーションによる魅力的なコンテンツが提供されることを期待しています。



動画が再生されます。

2024年5月31日





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